朝はココアを、夜にはミルクティーを
不意打ちの告白は、その後の私をかなり動揺させた。
好きだと言われたこともそうだけど、亘理さんがあんな風に涼を追い払うとは思っていなくて。どちらもあまりにも想像を超えていて、仕事どころではなくなっていた。
「瑠璃ちゃん!ほら、お釣り!」
隣で大熊さんに耳打ちされ我に返った私は、手に持ったままのお釣りを慌てて目の前にいるお客様に渡す。
申し訳ありません、ありがとうございました!と頭を下げながら。
この夕方の混んでいる時間に、私は何をボーッとしているのかと自分自身に突っ込みたくなった。
混む時間にはレジは二人制になるので、私は大熊さんとペアになって業務をこなしていた。
次から次へと買い物を済ませたお客様が押し寄せるので、余計な雑念が頭にあるのではさばくことなんてできない。
気を引き締めて仕事に集中しなければ、と言い聞かせた。
─────あの時、亘理さんに「好きです」と言われた直後、「あぁっ!いたいた!亘理さーん!」とお店から浜谷さんが走ってきたのだった。
それによって私たちの会話も即座に中断、いつもの亘理さんに戻った彼は浜谷さんに用件をうかがっている。
本社からの電話があったようで、急ぎだと伝えられると彼はすぐさまその場からいなくなってしまった。