朝はココアを、夜にはミルクティーを
インテリアの大型ショップへ立ち寄った私たちは、数え切れないほどの装飾品の数々に目移りするばかりだった。
もともと季節の飾りなどは前の店長が古くから使っていたものを毎年使い回していたので、かなり年季も入っていた。中には黄ばんでいたり、壊れかけているものもあったりしたけれど、どれも簡単に補修して使い続けていたのだ。
百円ショップでは種類に限界もあるし、こちらのインテリアショップのものと織り交ぜながら新しい装飾品を買おうと提案した。
「目が……チカチカしますね」
黄色、赤、緑、青、ピンク…色とりどりのキラキラした飾りが並んでいて、形も星だったり球体だったりハートだったりベルの形だったり、本当に様々で綺麗。
こういうのを見ていると、お店の飾り云々よりも自分の部屋を飾りつけたい気持ちが出てしまう。
ひたすら目をパチパチ瞬かせる亘理さんの肩を、私はトントン叩いて「こっちですよ!」と腕を引っ張る。
「これとかどうです?ガーランド!雪だるまが連なってて可愛いと思うんですけど」
「ガーランド?」
「紐でオブジェみたいなのがつながってるやつです」
種類がありすぎてちんぷんかんぷんになっている様子の彼は、半ば諦めたように肩をすくめた。
「俺にはこういうの、本当に分かりません。白石さんのセンスにお任せします」
「本社ではなんて言ってるんですか?」
「現場に任せる、とそれだけ。あとは予算内におさめてくれればいいよって」
「て、テキトーですね」
まあ、前の店長があんな感じだったからなんとなく予想はついたのだが。
コマチは店舗ごとにかなり雰囲気が違う。それはおそらく、店長やその店舗で働くスタッフたちにお店作りを任せているというところが大きいのだろう。