この夢がさめても、君のことが好きで、好きで。
古くから日本の歴史を守り続けるこの街の景色は、いつだって趣(おもむき)があって、美しい。
海に浮かぶ江ノ島が近づくと、朝の光にきらめく水面が視界に映った。
途中、それまで線路を走っていた電車が路面電車に変わる。
ゆっくり、ゆっくりと。
ともに歩む街の人たちの息遣いに合わせるように進む電車が腰越(こしごえ)駅を過ぎると、私が通う高校の最寄駅まで、もうすぐだ。
ここは、私たちが生きる街。
私たちとともに、生きる街。