この夢がさめても、君のことが好きで、好きで。
「んー……私は去年と同じで、浜辺清掃でいいかなぁ」
“ 逢坂七海 (あいさか ななみ)”と名前の書かれた選択用紙を机の中から取り出すと、私は言葉のとおり第一希望の欄に浜辺清掃と書いた。
ちなみに、第二希望は校内清掃。
そうすれば、私の一挙一動を見ていたサキは、どこか不満気な表情を浮かべて私と用紙を交互に見た。
「サキ、どうしたの?」
「えー、だって七海さぁ……。たしか、前にピアノ習ってたって言ってなかった?」
「え?」
「もし少しでも弾けるならさぁ、今年こそ私と一緒にボランティア演奏会に参加しようよ」