嘘の朝


__キャハハハッ


_ッチ

隣を歩く女達の甲高い笑い声
終わる事のない長い話に涙を浮かべて
この女達は笑うのだ。

「憧子〜ライターある?」
「ん」

何だよそのファンデーション
ただの厚塗りじゃないか。

一緒にいるつもりで
一緒にいない

空気みたいな存在に
自分からなったんだ。楽だから。


「やばいネイル禿げた」

マスカラのダマを気にして鞄から出した
鏡越しに映る手元に視線を移しながら
1人の女は言った。

「あれ?今日ミナん家で呑みだっけ?」
「そうだった部屋汚ねぇや」

雑に巻かれた長い髪の女1人と
前髪を気にする隣の女1人。

「あー今日バイトだからパス」

そして私。



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