いじめ ―きっかけは―
愛美に翼と筆談してるって
ばれたら大変だもん。



あまり長く続かないように
英語で書いてみた。



…しかしそれが間違いだったと
気がついた時には
後の祭り───…



「せんせー!」



…翼また…?
と思って、翼の横顔を見つめた。



「はい。
 有馬さん、…いえ翼さん。」



「That is rightってどう読むんですか?」



「は?あ、それはー…
 ざっつらいと!」



そう言って、池村先生は親指を立てた…。
ざっつらいとって発音悪いな…と
頭の隅でチラッと考えてから、
真っ青になった。


…翼、言わないで。



「何で英語?
 すみませんが後にお願いします。」



池村先生…良かった。死ぬかと思った。
しかし、私は翼が馬鹿だということを
この時は知らなかった…。



「おぉーありがとうございます。
 では、Howeverって?」



…最悪…。
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