いじめ ―きっかけは―
今日は友達たくさん作りたい。
積極的にみんなに話しかけよう、と
心に決意して、私は家を出た。



「行って来ます!」



そして、枝道の向こうから
見覚えのある人影が見えた。



「…翼?」



「よ、何メーターか前歩こっか?」



最初は理解できなかったんだけど、
愛美絡みだってわかって、
気の利く翼に感謝した。



でも、私は途中で
ノロい翼を追い越した。
…が、校門では一緒になった。



適当な距離を置きながら
私たちは歩いた。



そしてそのまま下駄箱に直行。



有馬同士なわけで下駄箱は
当然隣同士。



あたしの向こう隣りは
愛美。



「宿題あったっけ?」



無視するわけにもいかないし…。
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