いじめ ―きっかけは―
あぁ…学校やだ…
だって昨日のって明らかに嫌がらせだもん。



でも…
行かないと相手の思う壺になっちゃう。



画鋲の事件があった次の朝、
ハンガーにかかっている制服に
手を伸ばした…。



「行って来ます!」



あれから朝ごはんをすぐに食べて
元気よく挨拶し、家を出た。



お母さんには何もなかったように
ふるまった。



そして、友達も出来た、と言った。



翼と、柚花と…そして、愛美…。



…下駄箱。
緊張してきた…。



まず上履きの中をよく注意して見た。
何もない。
ひっくり返しても何も出てこない。
画鋲も手紙も何も───



あぁ…良かった。



警戒し過ぎかな?
だけど、私って、思い込みとか
激しいんだよね…。



少し安心しながら
スロープを上った。
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