いじめ ―きっかけは―
一応そこに行ってみたら
前にいた男の子がどうぞ、という風に
前をあけてくれた。



「有難う。」



やけに紳士的な子もいるもんだ。
もしかして、恋もあるかもしれない!



少し顔をほころばせながら、
黒板を覗いてみた。



黒板には紙が張ってあって、
席順が書いてあるみたい。



その紙を見て、私は自分の
席の位置を知った。



黒板から見ると右側で、
窓際の席。
前からは1番目。



良い場所。



そこに座ると隣の子を見てみた。
だって長い間お世話になるから。



その子の頬杖をついて
ぼーっとしていた。



心なしか、
不機嫌そうな顔をしている。
端正な顔が台無し。



最初の友達が男の子でも良いかな、
とあたしは思った。
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