いじめ ―きっかけは―
「え…?
 翼?」



教室を出ようとしていた
愛美は驚いたように振り返り、
翼の机にやってきた。


「何?」


彼女のニコッとしたが顔が強張っている。



「…愛美って画鋲美海の机に
 入れた犯人?」



翼はある確信を得ていた。
昨日の放課後、
愛美は、美海の机の
辺りで何かをしていた。



翼を見たら、その瞬間
大慌てで帰って行った。



そして…画鋲を扉辺りに落としていった…。



「えっ…?」



真っ青になってかばんを落とした愛美。



「ごめんなさいっ…!」



翼はいきなり謝られて
少し後退りしながら、
愛美に問いかけた。



「…お前、だろ?」
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