いじめ ―きっかけは―
「…うん。」



彼女は頭を上げないまま、少し頷いた。



「菊も?」



「…菊?
 やってない!」



頭を勢いよく上げて、
愛美はぶんぶんと頭を横に振った。



「…え?」



「…菊はやってない…。
 それに…画鋲も…脅されてて…。」



脅されて…?!
翼はビックリした。



愛美を脅して、画鋲を美海の机の中に
入れたとしたら…。



愛美は、もしかしたら逆らえない相手だったのかもしれない…。



「…誰に?」



答えが欲しかった。



「…田邨…柚花って子…。」



「たむらゆずか…。」
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