いじめ ―きっかけは―
「おはよ。」



私は自分の席に着いて隣の翼に声をかけた。



私に味方はたくさんいるんだ…。
大丈夫。
柚花がいる。瑠夏ちゃんもいる。
綾実ちゃんもいる…!



愛美は酷い事をしたんだもん…。
でも愛美は怖くない。



翼と私が話そうと話すまいと愛美には
全然関係ないんだ───



大丈夫。
大丈夫、大丈夫…。



私はかばんから
筆箱、下敷きなどを出し始めた。



「美海。」



後ろから声を掛けられて振り向いたら
愛美が真剣そうな顔で私を見つめていた。



「な…何?!」



冷たく言い放ったつもりだったけど、
多分ただ慌てているようにしか見えなかっただろうな…。



愛美はおどおどと話しだす。



「あの…今から話せる?
 …大事な事なの。
 出来ればここを離れて。」



ここを離れて?
えっ……と。
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