いじめ ―きっかけは―
「…え。
 あ、廊下。そう、廊下で話そ?」



私は…前にも言ったけど、
思い込みとか激しくて…。



だから、屋上に行ったら、
閉じ込められたりしないかなぁ、なんて
思ってしまった。



だから廊下を選んだ。



私は愛美と席を立った。



教室を出る時、中を振り返ると、
翼と目が合った。



が・ん・ば・れ…
口がそう伝えてくる。



よくわからないな…。



愛美はあまり人気(ひとけ)のない
廊下の隅で立ち止まった。



「あたし…画鋲の犯人なの。
 翼と仲良いから…嫉妬しちゃって…。
 ほんとごめん!」



「…そ…なんだ…。」



知らないふりしたけど
心がズキズキと痛んだ。



愛美は俯いた。



「…あたしに死んでほしいって
 思ったんだよね?」
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