いじめ ―きっかけは―
カバンの中身を机の上に出してから
横にかけ、私は喋りかけた。



「おはようございます。
 お名前は?」



その子は眉を寄せ、
少し目を開けた。



…まるで開花みたい…。
綺麗な目、してるんだもん。



「ん。」



「…?
 ごめんなさい、もう一度言ってください。」



「普通人に聞く前に
 自己紹介が先。」



その子は口をもごもご動かした。
眠たそうな目で私を見上げる。



私よりちょっとだけ声が低いだけで
男子にしては高いほうかな?
背も予想だけど小さそう。



私は了解して、自己紹介を始めた。



「名前は有馬 美海。
 そして趣味は読書。
 特技は英語。
 理由は前に1年間イギリスにいたから。
 
 このくらいで良いですよね?」



…そう言ってニコッとしたら、
その子もようやく口をちゃんと開いてくれた。
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