いじめ ―きっかけは―
「なぁ、どこで喋ってたん?」



「んっと…ね。
 あそこ。」



私は人差し指で廊下の端っこを
指差した。



彼は肩をすくめながら
そこに行ってみよう、と言った。



「誰かの気配…する。」



例の場所に着いて、翼が
そう言った。



「え?」



愛美がスカートに顔を
埋めていた。



「えっ…
 み…美海!
 …翼も…。」



私達に気が付いて愛美は
驚きの声を上げた。



「…愛美、大丈夫…?
 何で…泣いてた?」



翼が優しい声で質問してる。



「…愛美、私、もう1度愛美と話したい。
 ダメ…?」
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