いじめ ―きっかけは―
「いっ…良いよ!」



翼はそんな中、ニコニコしていた。



「あの、私が1回喋る…。
 その時、愛美は何も口出さないで。
 お願い。」



「分かった。」



私は1回深呼吸すると話し始めた。



「入学式の時、愛美と友達になれて
 あたし、凄く嬉しかったんだ。
 この学校に入ってから初めての
 女友達だし。
 それで次の日、画鋲の事が
 あったでしょ?」



この時、私の目を見て話を
聞いていた愛美は俯いた。



「そのあとね、大丈夫?
 犯人心当たりとかない?
 って喋りかけてきた女の子がいた。
 不思議じゃないでしょう。
 その子の名前は田邨 柚花。」



「柚花…?」



不思議そうに小首を傾げながら
愛美が顔を上げた。



その目には…鋭い光が宿っていた。
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