いじめ ―きっかけは―
「あたし…菊の花、美海の机に置いてない!」



愛美は私の顔を真正面から見つめながら叫んだ。



「あれをやったのは柚花だもん!
 が…画鋲だって、柚花に命令されたことだもん!」



「…え…?」



呆然として、愛美を見つめた。



…理解できない。
愛美だと思った。



犯人、愛美だと思った…。



なのに、その愛美は…
柚花だって言った…。



柚花に命令されてやった事だ、と言った。



「ごめん…頭ごちゃごちゃしすぎて…
 わからないよ…
 3人で話し合ってみない?」



愛美が落着きを失った。



「…え…。」



「…だって愛美は
 柚花に嘘つかれてるんでしょ?
 嫌だと…思わないの…?」



どっちを信じれば良いかなんて
わからない…。
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