いじめ ―きっかけは―
私は素直に受け取り、その紙を見た。
〝人の男取るなんて最低。〟


…嘘。
これ…悪口が書かれてるの?!


私は吃驚して他の紙も拾って読んでみた。


〝顔は良いくせに性格は悪い。〟

〝どうせぶりっ子。〟

〝そういう奴が死ねば良い。〟


「あ、もしかしてさ、
 私がこれ見たら傷つくとでも
 思っちゃったの?」


バカ…何言ってんだろ、私。
だけど…こんな低レベルのことする
人たちになんて負けたくない…。


「もうちょっと良いやり方が
 あるんじゃないかと思う。
 じゃあ、以後頑張れ。」


…私って。
こんな人だったっけ?


何でこんなに傷ついていないんだろう…。


不思議に思いながらも教室の
出口に向かうと、誰かにぶつかる。


「美海…?」


私が顔をあげると翼がいた。
何だか翼の顔を見たら
さっきまで必死に我慢していた辛さが
一気にあふれ出しそうで怖くなった。


私はそのまま教室を出て行った。


私は情けないながらも女子トイレに即行。


個室の鍵をカチャっと閉めながら
私は声を押し殺して泣き出した。
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