いじめ ―きっかけは―
教室に帰ったら池村先生に
遅れたことに対して3人で少し怒られた。


「男好きさんのお帰りぃ。」


そう言って愛美に足を引っかけられ
そうになったが、私は何とか交わした。


(翼と仲良くするな、ブス。)

(綾実って呼ぶなよ。)


席に着いたらそういう内容の
瑠夏ちゃんと綾実から投げられ、私は


「わざわざお手紙有難う。」


と微笑んだ。
不思議と辛い、という感情は
出て来なかったんだ。


いじめっ子は可哀想だって聞いた事
あるけど、私は真面目にそう思った。


こんな事をして快感を感じているなんて…
なんて可哀想なんだろう?


この私の態度からみんなの顰蹙を
買い、毎日毎日いじめられ続けた。


ある時は下駄箱に画鋲。だけど


「うわ…下駄箱に画鋲入れるって
 超古い…。」


と私は下駄箱の陰に隠れて
私を見ていた柚花達に向かって
クスクスと笑った。


また、ある時。
教室に入ったらバシャーンと
水をバケツごと浴びた。
ご丁寧に少し泥も入っていて。
だけど・・・
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