最初で最後の千歳くん。~君と1000回のキス
「じゃ、桃胡、お互い頑張ろうね!」

A組の教室の前でみっちゃんが言う。


「…うん」

「あぁそうだ。大事な事忘れてた」

みっちゃん、深刻な顔。

「え、何…?」



『自立するまで私に気軽に話しかけないでね』

頑張るけど…

みっちゃんと話せなくなるなんて、そんなの無理だよ…


こんな悪い考えが頭を巡る。


「カッコいい男子がいたらすぐ報告に来ること!」

人差し指をびしっと私の目の前に立てた。

「…も、もぅ…」

さっきは肩の力が抜けたけど、今度は足の力が抜けそうになった。
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