最初で最後の千歳くん。~君と1000回のキス
「ねむい。」

…え?


「もぉ、千歳くんってば相変わらずなんだから~」

「田崎、お前、ほんとナマケモノみたいだよなぁ」

他の男子も混ざってもっと賑やかになってる。

「ちょっとぉ、千歳くんをナマケモノ扱いしないでよぉ」

「そうだよ!千歳くんはクールなだけだもん!」

「うわー、顔が良いって得だな。ズルいぞ、田崎」


当の本人、『田崎千歳』くんは…

「ねむい。」

また同じ言葉を繰り返して、顔を伏せてしまった。


…あれ?

元気ハツラツ。

よく喋る。

よく動く。

よく笑う。

まさしく、クラスの人気者という称号がピッタリ。


…小学校の時の男の子。

『田崎千歳』くんの顔した私の記憶の中の男の子は、さっきから『ジメ子』って何度も繰り返してる。


「やーいジメ子ー!」って。
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