最初で最後の千歳くん。~君と1000回のキス
「E組…みっちゃんのA組から一番遠い…」

一度掲示板へ上げた視線を、また足元へ戻す。

桜の花びらが落ちてる。

私の気分も落ちてる。


「私がいなくても大丈夫?」

顔を覗き込んでみっちゃんが聞いた。

「大丈夫じゃ…」

「まぁ、大丈夫になってもらうしかないけどね」

スパっと私の言葉を遮る。


私は小学校5年生の時、隣町に引っ越した。

みっちゃんとはそこで知り合った。

地味で目立たない私と友達になってくれた、中学からの唯一の友達。


「そう、だよね…。私なんかがみっちゃんの高校デビューを邪魔しちゃ…」

「違うでしょ!」

またも私の言葉を遮る。

次は頬っぺたをつねりながら。

結構…いひゃい…


「桃胡は桃胡のために変わらなきゃダメなの!」

「みっひゃん…」

「えっと、『ジメ子』だっけ?小学生の時につけられたあだ名」

「うん…」

「もう高校生だよ?いつまでそんなのに縛られながら生きてくの?」
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