波乱の恋! 私・荻島美香が彼のハートをゲットするまで
「お前、堀江照史ってヤツと同棲しているんだろう? それにお腹に子供がいる。そうなのか?」

「…」

「黙っていないで、答えろよ」

「…」

「蒼!」

 しばし沈黙の空気が流れた。
 あまり喋りたがらない蒼の口調で森山さんはイラっと来ていた。
 カッとなりそうなところで私は気を落ち着かせた。

 蒼は返事した。

「何も聞かないで」

 ええー?

 その一言?

「ふざけるなよッ!」

「森山さん!」

 真っ赤な顔をする森山さんを私はなだめた。

「悪いけど拓也、もう…私と別れて」
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