波乱の恋! 私・荻島美香が彼のハートをゲットするまで
「それで?」
「蒼には悪いけど、拓也を頂く」

 それまでお嬢様らしく静かに振る舞っていた蒼は、飲んでいたコーヒーのカップをドンとテーブルに置いた!

「ふざけないでッ!」

 おやおや、声を張り上げちゃって!
 回りの視線が一斉に集中してしまったじゃない。

 気が荒立った蒼は私と激しく言い争いを始めた。
 高校時代は仲良しグループの中ではリーダー格だった私も負けず、相手を威圧させるような強い態度に出る。

 蒼は激しい口調で言い返す。
 そこへ、例のウェートレスがやって来た。

「お客様、ココでは騒がないよう、お願いします!」

 そう。

 ココはゆっくりと会話をしたり、読書などしながら過ごす憩いの場所だから大声上げて騒ぐ事は厳禁なのだ。

 回りを見てみると、大勢の客たちの冷たい視線が集中している。
 その中に拓也と雅美の視線が有るなんて、さすがに私も蒼も気付かなかった。

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