波乱の恋! 私・荻島美香が彼のハートをゲットするまで
 そんな愛する拓也だけど、全く不満がないワケではない。

 そう。

 一つ不満があるのだ。

 時々、こんな事を心の中で呟いたりする事がある。

 (拓也ったら…、友達以上の付き合いをなかなかOKしなーい…)

 実は拓也は私から声をかけられた時、或る条件を出していた。
 その時の拓也のセリフは今でも忘れてはいない。

「俺と付き合うならよー、しばらくは軽い交際で行こうぜ」って。

「ハァ? なーにそれ?」

「茶飲み友達、メル友感覚ってヤツ? 俺のライン友達に、君も入れてもイイから」

「えー、タダの友達関係でいたい…って事なのォ?」

「うん、まあな」

 拓也の方はこんな条件でノリノリだけど、私がこんな軽い条件に満足出来るハズがないじゃん。

「それって、イヤだよー。最初から恋人関係でイイじゃーん」と私は駄々をこねたけどね。

「悪いなぁー。こっちには色々と事情があるからー」
< 3 / 150 >

この作品をシェア

pagetop