この話のタイトルはあなたの名前です。
ロボットのような、一定のリズムで喋る先生の声を聞いていると、気をつけていてもボーッとしてしまう。


ふと机の端に動いているものが目に入った。

蚊だ。

もうそんな季節かと改めて月日の流れの早さを感じる。

いつもなら叩いて潰してしまうのだが、今日はそっとつまんでみた。

そんな気分だった。

つまんだ蚊をじっと見ていると
気持ちが悪い。

逃げようと足をばたつかせているのが
気持ち悪さを倍増させている。

ノートの上に蚊を置いてみた。

逃げないように腹部にシャープペンを刺してみた。
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