この話のタイトルはあなたの名前です。
「もー、何してたの?そんなに夢中になってー!」

桜がノートに手を伸ばす。

「いや!何でもないから!ほんとに!」

僕が桜の手を掴むと、桜はビクッと体を震わせ顔を赤くし、ふーん!と言い去っていった。

バレなくてよかった。

でもあと少しで潰せたのに。

僕は想像してみた。
蚊の頭を潰す瞬間を。

何度も何度も何度も何度も何度も。


……ああ、あと少しだったのにな。
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