この話のタイトルはあなたの名前です。
第1章-芽生え-


暑い。


教室の窓からウザったらしいほどに
のぞき込む日差しと体を包み込む
生暖かい風が僕のイライラを掻き立てる。


授業の終わりを告げるチャイムが
鳴るとと同時に
僕は乱暴に教科書を閉じた。

「どうしたの?めずらしく不機嫌じゃん」

隣の席の高倉桜(たかくら さくら)が
僕の顔を覗き込んでくる。


黒髪のショートカットの
綺麗な顔立ちをした彼女は
不安そうな顔をして
僕を見つめてくる。
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