この話のタイトルはあなたの名前です。
周りの音は聞こえなかった。

ただ人々の目線の先を見ようとするので精一杯だった。
体は金縛りにあったように動かなかった。

「ひぃっっ。」
僕の隣で店員の小さな叫び声が聞こえた。


僕は足元に視線を落とした。
そこにあったものはまぎれもなく首だ。

首が転がっていた。

「うわああああああ!!」

やっと声が出た。
その瞬間周りの叫び声や悲鳴がいっきに僕の耳に流れ込んできた。


人々はパニックだった。


だが、僕はその溢れる血と転がりこちらを見つめる首を見て思った。


「なんて…。なんて綺麗なんだろう。」
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