この話のタイトルはあなたの名前です。
僕は意を決して玄関を開けた。

臭い。

生ゴミの腐った匂い。
強烈なアルコールの匂い。
そして人間の汗の匂い。

あいつの事だ。
風呂にもろくに入っていないのだろう。

すさまじい吐き気に襲われた僕は二階にある自分の部屋へ飛び込んだ。

部屋に入ると荒くなった息を整えながらベットへ寝転ぶ。
さきほどとは対照的な空気が僕の体を浄化していくのを感じた。

静かに目を閉じると浮かんできたのは、たくさんの人々の悲嘆の表情。
そして足元に転がる首。

もっとみたい。
もっとみたい。
もっとみたい。

「みたいな。」
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