茜色の記憶
第四章 再会
それから数日は何事もなく過ぎた。
わたしは家のことをしたり、もうすぐ引っ越してくるお兄ちゃん家族のための家探しを手伝ったり生活用品をそろえたりと動き回る合間をみては、凪の家に行った。
一緒に農作業したり、おしゃべりしている分には、凪はなにも変わらない。いつもの凪だ。
でも、ひとつだけ、明らかな変化があった。
凪が自分から将来について話すようになったのだ。
その時、わたしと凪は作業場で、オクラの袋詰めをしていた。
単純作業をしながらたわいない会話を交わしていると……。
「くるみ、高校卒業したら、どうする?」
凪から質問されて、わたしはドキッとした。