金曜日の溺愛にはかなわない(完)
「帰るぞ」



社長は切り抜きを自分の机のそれ用の箱に入れて車のキーを手に持つ。



「今日は終電がまだ…「なに?俺に逆らうの?」


「いやそういうわけでは…」


「つべこべ言わずに行くぞ」



ガッとあたしの腕を掴んで歩き出す。


ほんとに、なんでこの人はこんなに横暴なんだろう。
横暴社長すぎて話にならない。



「そういえばお前、立河にご飯誘われてたな?」


「え!?なんでそれを…」


「断ったのか?」


「金曜日にいけるわけないじゃないですか」



元はといえばこの横暴社長が。
こんなことなければすっごく好みの立河さんとご飯にいけたのにな。



「お前、立河のこと好きだろ」


「は!?」



好きってほどではないけど、漏れていたのかな変な声が出てしまう。



「バレバレ。目がハートになってる」



社長からハートなんて言葉が出てくるとは思わなくてキョトンとてしまう。

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