金曜日の溺愛にはかなわない(完)
「冷蔵庫にあるもので作って」



ネクタイを緩めながらながら言う。



「言われなくてもわかってます」



三ヶ月間ほとんどここで金曜に料理作ってますからね。



「それにしても社長ってなんでこんなに食材豊富なんですか？」



一人暮らしの男の人の冷蔵庫とは思えない。
まるで家族がいるよう。



「家族いるからな」


「…はぁ？」


「冗談だよ。ばーか」



そのまま寝室へと着替えに行く。




「覗くなよ」



なんてひょっこり顔を出したりなんかして。



「誰が覗くか…っ」



もう、社長になんか興味ないし。
どんな体してても関係ないし。

こうして家で二人でいてもこの三ヶ月間なにもないってことはそういうこと。
あたしたちがお互い意識していないってことだ。



「なんであたしが…」



なんて思いながらも三ヶ月間ってすっかり慣れたこの台所で今日も料理を始める。

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