『いじめられ』る人【短篇】

あろうことか、彼女は転校二日目にして大きく遅刻をした。


二限目の前の休憩時間。

急いで教室に飛込んだ際に、鞄を一人の女生徒にぶつけてしまった。


クラスで中心的な存在で、いじめの仕切り屋張本人。

それは不幸の始まり……


さらに典型的に不幸は続いた。

私の机の前でつまづいて勢いよく転び、鞄の中身を豪快にぶちまけた。


中から飛び出した物は、宝の宝庫だった。


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