『いじめられ』る人【短篇】
早速、休憩時間には彼女は注目の的になっていた。
勿論、悪い意味での……
「腐女子ちゃんだったんだぁ」
「えっ?この顔どこメイクしてんの?」
「だからぁ、雑誌でお勉強してんだよね~」
しかし彼女はへらへらと愛想笑いをしながら眼鏡をいじっている。
「あんた笑ってる前に鞄ぶつけて謝りもなし?」
例のいじめっ娘主犯格が声を荒げ、机を蹴った。
いじめる側多数とといじめられる側が……二人になった瞬間だった。
絵に書いたようないじめの光景を目の前に、私は一人こう思っていた。
(やった……)