『いじめられ』る人【短篇】

早速、休憩時間には彼女は注目の的になっていた。

勿論、悪い意味での……


「腐女子ちゃんだったんだぁ」

「えっ?この顔どこメイクしてんの?」

「だからぁ、雑誌でお勉強してんだよね~」


しかし彼女はへらへらと愛想笑いをしながら眼鏡をいじっている。


「あんた笑ってる前に鞄ぶつけて謝りもなし?」


例のいじめっ娘主犯格が声を荒げ、机を蹴った。


いじめる側多数とといじめられる側が……二人になった瞬間だった。


絵に書いたようないじめの光景を目の前に、私は一人こう思っていた。



(やった……)


< 15 / 24 >

この作品をシェア

pagetop