ス ト ロ ベ リ ー
学校に着くとすでにもうクラス替えの紙が昇降口の隣。調理室の窓に貼り出されており人だかりができていた。
「ふぉぁ…いっぱい。」
私の学校は市内で1番生徒数が多く、人だかりを見るたび少し驚いてしまう。
「ほら!行くよ!」
自転車を駐輪場に止めて荷物を持って人だかりの中に入り込む。

私たちの学校はA〜F組まであって好きな友達と一緒になる確率はあまり高くない。
もちろん私はくるみと一緒になりたい。
6分の1の確率の中おそるおそる私は自分の名前を探そうとする。
すると、いち早く名前を見つけたくるみが声をかけてくる。
「あった?」
「まだ…。くるみは?」
「私は…あ!」
少し緊張しながら答えを待つ。
「B組。」
「B!?Bだね!!!見てくる!」
いつの間にか人に流され一番後ろに来てしまっていた私はなんとかもう1度潜り込んでB組の名簿から自分の名前を探し出す。
「えっと…。…な、無い…。」
ガックリと肩を落とす。
俯いたまま周りの子の歓喜に満ちた声を聞きながらくるみのもとへ歩き出す。
「んむっ!」
誰かの背中にぶつかったようで変な声を上げる。
ぶつかったのは男子生徒のようで余計にテンションが下がる。
過去に変なおじさんにやたら絡まれた時があってそれ以来男性が苦手。

「ご…ごめんなさい…。」
俯いたまま謝る。
(ツいてないな…。)と思いながらまた肩を落とす。
「別にいいよ。こっちこそごめん。」
ネガティブ思考を繰り返しているとそう返答が。
ずっも俯いていたから顔は見えなかったけど身長の高い人だなぁと思いながらくるみのもとへ戻る。
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