オレンジ〜どうしようもないくらい君が好きなんだ〜


それから俺たちは近くの居酒屋で

4年間の隙間を取り戻すかのように

語ってそして笑いあった。

涼香と話していると本当に

高校生に戻った気分になった。

初めて見る涼香の酔った顔。

とろんとした目もまた可愛い。


気づけば終電の時間はとっくに過ぎていた。

「涼香、終電の時間過ぎたねw」

「うわぁ、ほんとだ。どうしよ笑」

「とりあえずどっか散歩して酔いを醒ますか!」

俺たちの足は、高校から急な坂を登ったところにある

公園に向かっていた。


深夜ってこともあってか人通りは少ない。

街灯に照らされた俺たち2人の影だけが揺れている。

隣から聞こえるぎこちないハイヒールの音。


< 192 / 199 >

この作品をシェア

pagetop