ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
『せっかくなので、皆さんにも劇を体験してもらおうと思います!

よく知ってると思われるお話・シンデレラのワンシーンをやってみましょう!!』





やってみたい人!と先輩は言うけど恥ずかしがって誰も手を挙げない。




俺だって皆の前でいきなりやれなんて嫌だし。
第一シンデレラの話しなんてうろ覚えなのに英語で劇なんて中学生には無理だって。





ボンヤリとその様子を見ていた時、進行していた先輩と目が合った気がした。





『それじゃあこちらからランダムに選ばさせてもらいますね!

シンデレラ役は、ジャージ姿のあなた!立ってください!』






指差す方向は俺で視線もばっちり合っている。






『ねぇ、勘違いされてる。』
『まぁわからなくもないよね。だって結城くん本当に可愛いもん。』





同じ中学の女子生徒は皆俺を見てクスクスと笑い始めた。




『おい。歩、男だって言えよ。じゃなきゃシンデレラやらされるぞ!』




マサはさすがに俺を不憫と思ったのかそう言ってくれたけど。





同級生に笑われて、更には他の学校の生徒がいるなかで、否定なんて余計に恥ずかしい事に感じて。



何も言えないままその場に屈辱を抑えながら立ち上がっていた。



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