ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
『それじゃあステージの方に上がって下さい!』






その場に俯いたまま首を横に振る俺に、体育館はざわつく。





『緊張しなくても、台詞は台本見ながらでいいんですよ!』






緊張で動けないままだと思っている先輩の優しい呼び掛けにも応じずにただその場で首を横に振り続けた。









結局俺がやりたがらない理由なんてわかるわけもなく、諦めて他の人を指名してやることになった。







その間、皆が哀れんでるような目で見てるような気がしてずっと膝を抱えて俯いていた。





劇が進んでくなか時おり笑い声が聞こえてくる。





その笑い声が全て俺に向けられてる気がしてどんどんと落ち込む気持ち。






吐き気がする。






マサや他の男子と固まって座ってたのに。
やっぱり男として見られない。





シンデレラ?





ふざけんな。







ムカつく







いつまでも成長しない自分に腹が立つ。







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