ラブ・マスター？ 【ラブレッスン番外編】

屋上の扉を開く時、まだ企画部の人はいるだろうか？
加藤さんはもうきてるだろうか？


そう思うと自然と慎重に扉を開いてた。




ゆっくりと…錆びた音が響かないように、少しずつ引いてく。





開く度に外の熱気と光が入ってきた。





見渡す場所に人影はなかった。





企画部の人も下へ戻ったんだな…なんて思い屋上の様子をグルッと見渡して、



給湯機らしきタンクのあるものの日陰に少しだけ見える人の姿に息を飲んだ。






投げ出すように足をのばして座ってるのか足が少し見える。




こんな暑い中まだいたのかよっ！



驚きつつ何をしてるのかと少しだけ角度を変えてどんな様子か窺ってみる。





どうやら本を読んでるようだった。





今までずっとここにいたのかよ。




日陰にいるから平気なのか？





いや、そんな事はどうでもいい。



人に聞かれたくない話をこれからするんだ。




ここじゃまずいから場所変えなくちゃいけない。




急いで屋上を出ようとした時、



ためらいがちにゆっくりと扉が開いてくのが見えた。