ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
少しだけ引いた扉から顔だけ覗かせて外の様子を見てるのは、

俺が呼び出した人物に間違いなくて。




俺に気付いて顔だけでなく、屋上へと踏み込んできた。




『屋上って出入り自由なんだね。ちょっと暑いけど天気が良いから気持ちいい』





「そうだね……」






俺の側まで来て空を見上げる加藤さんを見ながら、屋上にいるもう一人の様子を窺う。





本に夢中なのかまだこっちに気がついてないみたいだ。




延ばした足が依然変わらず見えてるだけな事が気付かれてないと判断させてくれた。





幸い加藤さんもそっちには背中を向けてて他に人がいるなんて気付いてない。





加藤さんの笑顔を見ながら今から伝えなくちゃいけない別れの言葉に一瞬つまったけれど。





こうなったら気づかれる前に別れを切り出して早く話を終わらせよう。





そんな気持ちに後押しされながら口を開いた。





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