ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
不思議に思いつつも、シカトされたんじゃ話にならない。




大声で呼ぶと、周りの人は皆は俺と彼女を交互に食い入るように見てきた。




ざわつく中へ足を踏み入れて、周りの目に構わずに腕を掴んで小会議室の中へと連れ出す。




屋上での噛みつくような態度が嘘みたいに大人しいのは、俺の頬に貼られた湿布のせいだとそこでわかった。



怪我した事で文句を言いに来たと思ってたようだった。




仕事に差し支えるような言ってくれとも言われた。





何だか調子狂うな。




てっきり、“私のせいじゃないから”とかって言い返してくると思ったのに。




俺の言った言葉を丸々信じて、とても申し訳なさそうにしている。




だから



「気にしないでください」


自然とそんな言葉が出ていた。





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