ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
『緊張?オリエンテーションて見てるだけじゃなかった?』






「……」






無言の俺にそれ以上問い詰めるようなことはしないで、入り口横にある棚へと移動して何かを取り出した。






『薬の棚はね、鍵がかかってるから勝手には開けられないんだけど。

これならリラックスするのに効くんじゃないかな?』





そう言って他にも何か取り出して、用意していく。







ポットのお湯をカップに注いでそれを俺に渡してきたとき、飲み物を作ってくれてたんだってやっとわかった。










『ハーブティ。カモミールだったかな?それ飲んでから横になった方が体の気分も良くなると思うな。』






俺の隣に並んであるもう一つの丸椅子に座り、自分の分も用意してたのかハーブティを飲みながら俺を見てまた微笑んだ。






さっき体育館で俺を見て笑ってた同級生の笑い顔とも違う。


手に持つカップから伝わる温かさの他に、その微笑みにも温もりを感じた様な気がして。





気恥ずかしくて顔を逸らして渡されたハーブティをコクッと飲んだ。






初めて飲んだハーブティは優しい香りがして、美味しいと思えた。




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