ラブ・マスター？ 【ラブレッスン番外編】
掴まれてたその手をそっと外しながら周りにも聞こえる声で言った。




「由宇さんとこれから大事な話をしなくちゃいけないんだ。

それに由宇さんに誤解されると俺が困るから、手離してね？」




俺の言葉を理解してだんだんと苦虫を噛んだみたいに表情を歪ませく子。




不意にその奥から強い視線を感じた。






部長席に座りながら俺を見据える強い視線。





数秒しか視線は合わさってなかったけれど

部長のその視線が、俺という人間を観察してるように感じられた。




そんな目で見るって事は部長にとっても、由宇さんは特別な存在なのかもしれない。



白岩チーフの様な男性からも、営業部の女子社員とか他の部署の女性からも人気のある部長が由宇さんを？




だったら由宇さんと部長は二人とも同じ気持ちって事……？





グッと拳を作って握りしめる。







でも譲れないから。





「まだ仕事中の人もいるのにお騒がせしてすみませんでした」




部長へ向かって軽く頭を下げてから急いで由宇さんを追った。





部長がどう思ってるかわからないのにうだうだ考えても仕方がない。




今は由宇さんに俺を知ってもらうことが大事なんだから。





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表紙・目次

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