ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
急いで戻ってみれば、案の定由宇さんは店を立ち去ろうとしていた。




俺が戻って声をかけると、逃げるのを諦めたか、肩を竦めて無言で俺を見上げて来た。




その時ようやく、じっくりと由宇さんを見たんだ。


今まで顔にかかってた邪魔なサイドの髪もこざっぱりとした


肩位の長さになって、毛先の軽くなった髪型。





ああ





出会った頃の由宇さんだ。



薄れてく頭の中の記憶でしか会えなくなってた由宇さんの姿





それを目の前で実感できてる事が嬉しくて。






「思った通りだ。

よく似合ってます!」





自然とそう伝えていた。






『あ、ありがとう』





うわ



今、ありがとうって。




由宇さんが俺にありがとうって!





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