ラブ・マスター? 【ラブレッスン番外編】
だけど、由宇さんが俺の反応も窺うようにチラッとこっちを見て、

また赤くなってる姿を見て、マサの言葉に照れてただけなんだって気付きホッとしてしまった。




似合っていると告げて明日もその服装がいいと言うと頷いてくれた由宇さんに、俺の頬は緩みっぱなし。





なのにまた、苛つく出来事。





由宇さんがマサの事、名前で呼んでいるのを聞いてイライラしてしまう。




俺の事は“結城さん”とか“あなた”って他人行儀に言うのに。



由宇さんの手を引いてマサの店を後にした後に苗字をしらなかったから名前で呼んだだけとわかった。




だけどマサより扱いが下だと思えてしまって胸が苦しい。



そんな俺を由宇さんは、不思議そうに見てくる。




ねえ?


俺がマサに嫉妬してたって知ったら由宇さんはどう思う?



繋いだままの手を振りほどこうとせずにいてくれるって事は、大嫌いの域まではいってないと思ってていい?





俺の1歩後ろをノロノロと歩く由宇さん。

そのたった1歩がやけに遠く感じる。




まだまだ由宇さんとの距離は全然縮まらない事を表しているみたいだ。




後ろの由宇さんが何を考えてるのか時おり振り返って窺ってみるけれど、わかるわけもなかった。




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