ラブ・マスター？ 【ラブレッスン番外編】
信じられないって心の声が聞こえて来た気がした。



どう切り抜けようか考えてたりもするんだろうな。


眉がハの字になってる。



その表情も可愛いな、なんて思えて笑みが零れた。




そんな俺を見てすぐに吊り上がる眉。



由宇さんて思ってること顔に出やすいのかも？




そんな時に白岩チーフが『付き合ってるの？』と聞いてきた。


違うと即答しかけた由宇さんを遮って鳴り響く着信音。



デレッとした顔つきで電話に出ながら喫煙室をそそくさと出ていく白岩チーフの姿に、女からの電話だなと思った。



話の途中なのに全く…。

由宇さんを見ると同じことを思ってたみたいで、不快感たっぷりの顔をしている。




眉間にシワよってるし。



「由宇さん眉間にシワよってますよ。
そんな顔してシワが残ったら大変だ」




眉間のシワを指で撫でつけた。





その手を振り払われた時、由宇さんの声ともう１つの声が重なって響いた。




『あのねえっ…』
『仲が良いように見せつけたいのかな？』





部長の低い声は由宇さんの声を簡単に飲み込んでしまう。



俺を見据えながら発した棘のある口調。




< 180 / 344 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop