ラブ・マスター？ 【ラブレッスン番外編】

部長は、由宇さんを部下以上の感情で見ている？





「仲が良いように見せてるんじゃなくて、
実際に仲が良いんですよ」



牽制しとかなきゃ、ヤバイって頭の中で警告音がした。



少しでも俺の方が優位な位置にいるんだって思わせて置きたかった。



そうじゃないと、あっという間に由宇さんを持ってかれそうで怖かったんだ。





由宇さんの腕を引き、体を引き寄せて肩に手を置きそのまま喫煙室を出ようとした。




だけど後ろから追いかけてくる部長の声。





『遠藤さんは付き合っていないと言ってたが、どうなんだい？』




俺の言葉なんかじゃ牽制にすらならないって事か？



だったらはっきり言うまでだ。




思う気持ちは負けない。





「今のところは、ね。

なぜそんなに気にするんですか？

部長としての部下の管理の範疇ですか？」





部長の目に由宇さんを映して欲しくなくて喫煙室から先に出てもらって
俺の体で覆い隠すように出口に立ちはだかる。




「上司として気にしてるならこれ以上の詮索はよしてください。

違うのなら話は別ですけどね」