ラブ・マスター？ 【ラブレッスン番外編】

由宇さんの部屋はワンルームの俺の部屋よりも広かった。



二人掛けの小さなソファに座って待つように言われる。




必要最低限の物だけのこざっぱりとした部屋。




淡いイエローのカーテンにベージュの絨毯。




女の子！って感じの部屋というよりも、どちらかというと実家にいるような落ち着いた色合いの部屋だ。




座りながらついあちこちをキョロキョロと見てしまう。



由宇さんはそんな俺をチラッと見つつも手際よく料理を始めてた。




トントン…と軽快な音をたてて野菜らしきものを切ってく姿。




つい「手際がいい」と声をかけてしまった。




すると由宇さんから早くに母親を亡くして料理は昔からやってた事、そして父親も他界した事を告げられた。




淡々と話してくれてたけれど、必要最低限以外は全て処分したと言った横顔は寂しそうなものだった。



形見だと言ってたしおり。きっとかさ張らずに持っていられる大切なものなんだと痛感した。