ラブ・マスター？ 【ラブレッスン番外編】

「―ッ」



恋路の邪魔をしないなんてメールで書いたけど、俺が側でウロウロしてること事体が邪魔をする行為になるのに。



由宇さんには、“わかってる”としか返事のしようがない。



そうさせてるのは俺。



メールではあんな文章書いちゃったけど…







終わりにしよう




そうすることが俺が唯一由宇さんを喜ばせてあげられることだろうから。









会社から真っ直ぐに向かった先は、由宇さんの家。




部長と飯を食いにいったんだから由宇さんの部屋は当然灯りは付いていない。




俺のときみたく、家で飯を作ってあげることはしなかったんだな。



まだ由宇さんの家に部長が招かれなかったことに、ホッとしてしまう。



玄関のドアノブにお弁当箱の入ってる袋をかけた。



たった１日だけだったな。由宇さんの手作り弁当。



分かってたならもっと、じっくり時間をかけて味わえばよかった。




一瞬、部長が由宇さんを送った後、部屋へ上がるかもしれないと考え、見えない場所に置いておこうかとも思ったけれど


きっと部長は付き合ったその日にいきなり家に上がるようなまねはしない人だと信じて、そのままにして由宇さんの家の前から去った。